レトロな建築やベイエリアなど街歩きが楽しい神戸
「三宮・元町」エリアの観光音声ガイド

三宮・元町エリア
TOURIST Guide編集部
西貴輝

三宮・元町エリア

さんのみや・もとまちえりあ
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三宮・元町エリアは、複数の鉄道路線が乗り入れる三宮駅の周辺に、地下街や商業施設、商店街が集中し、一大繁華街を形成している商業・観光の中心地です。
駅を挟んだ山側には、古くからこの地を見守る生田神社(いくたじんじゃ)、北野坂をのぼれば、北野異人館街が広がっています。反対に駅の海側には、明治から昭和にかけてつくられた洋風の近代建築が多く残る神戸旧居留地。沿岸には神戸ポートタワーがそびえるメリケンパークや神戸海洋博物館があり、非常に美しい夜景で知られています。
一方、海側の名所を巡りながら西へ向かうと、そこは元町です。元町は中華街として知られる南京町が大きな見所。いずれも三宮駅から徒歩圏内ですが、効率よく周るならシティー・ループバスが便利です。主要な観光地を結び、およそ15分間隔で運行しています。
明治に入ると同時に港が開き、外国文化がどっと流れ込んできた神戸。外国人向けに作られ、日本人の口にも合うように研究を重ねられてきた洋菓子やパン、洋食は、三宮周辺にも老舗の名店が多く残っています。そばめしや味噌ダレ餃子などのグルメもぜひお試しください。


生田神社

A 生田神社

神戸北野異人館街

B 神戸北野異人館街

ピアザ神戸(三宮高架商店街)

C ピアザ神戸(三宮高架商店街)

神戸旧居留地

D 神戸旧居留地

KOBE とんぼ玉ミュージアム

E KOBE とんぼ玉ミュージアム

神戸市立博物館

F 神戸市立博物館

三宮神社

G 三宮神社

メリケンパーク

H メリケンパーク

神戸海洋博物館・カワサキワールド

I 神戸海洋博物館・カワサキワールド

南京町(神戸中華街)

J 南京町(神戸中華街)

神戸市立相楽園

K 神戸市立相楽園

神戸三宮センター街

L 神戸三宮センター街

スポット紹介

生田神社

いくたじんじゃ

生田神社
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生田神社は、朱色の社殿が目に鮮やかな、神戸を代表する神社のひとつです。
ご祭神(さいじん)は、稚日女尊(ワカヒルメノミコト)。
神さまの衣服を作る機織りの女神で、糸を織り成すように人の縁を結ぶ、縁結びの神さまとして親しまれています。日本書紀によると、創建はなんと3世紀。
神功皇后(じんぐうこうごう)が遠征の帰路に海で立ち往生した際、稚日女尊が現れ、「私は活田長峡国(いくたのながさのくに)、すなわち現在の神戸に居たい」と仰りました。
このご神託をもとに、JR新神戸駅の北側にある砂山(いさごやま)に稚日女尊をお祀りしたことを起源とします。
時を経て、799年、洪水が起き、村人がご神体を救出。現在の場所に移しました。洪水では松の木と共に社殿が押し流されたため、「松は頼りにならない」と、現在も境内に松は1本も植えられていません。
また、元旦には門松ではなく杉飾りが立てられます。
ちなみに、平安時代では神社に租税を納める家を「神戸(かんべ)」と呼びました。このため、生田神社の「神戸(かんべ)」がある地域が、後の世に音が変化して「神戸(こうべ)」と呼ばれるようになったといわれています。

神戸北野異人館街

こうべきたのいじんかんがい

神戸北野異人館街
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三宮駅から北野坂を上がった見晴らしのよい一帯に構える、北野異人館街。
明治時代、外国人は専用の居留地に住むことが義務づけられていました。
しかし、来日する外国人の増加に伴い土地が不足。限定的に日本人と同じ区域に住むことを認められた場所が、この異人館街です。
緑豊かな山手の高台で、南に居留地や港を一望できるという立地は外国人に大変人気があり、この辺りには1960年頃まで200棟以上の住宅が立ち並んでいました。
その多くは、明治20年代から大正時代にかけて建てられた「コロニアルスタイル」と呼ばれる洋風建築で、日よけ・目隠しとして窓の外側に取りつけるよろい戸や、張り出し窓、ペンキ塗りの外壁などが特徴です。
ただよく見ると、瓦屋根など日本の建築技術も見受けられます。
これらは外国人建築家のもと、日本人大工が腕をふるった意匠で、和洋折衷の建物もまた、異人館の特色となっています。
また、美しい調度品がしつらえられた内装も大きな見所。現在、30棟余りある中でおよそ半数が一般公開されています。

ピアザ神戸(三宮高架商店街)

ぴあざこうべ

ピアザ神戸(三宮高架商店街)
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ピアザ神戸は、三宮駅と元町駅を結ぶおよそ400メートルの通りです。「ピアザ」とはイタリア語で「屋根のある回廊」を意味し、頭上に電車が走る高架下商店街となっています。
狭い通路の両側に並ぶのは、100をゆうに超える店舗。洋服、雑貨に加え、カフェやスイーツの店も増えています。
最新のトレンドを追いつつ価格が手頃なものが多いため、客層は若者が中心です。
また、神戸といえば靴。明治時代にゴム靴の製造が盛んになり、その後、合成樹脂を用いた靴で、神戸は国を代表する靴の生産地となりました。
現在、全盛期の勢いはありませんが、このピアザ神戸でも20店舗近い靴屋がこだわりの品を揃えています。
なお、元町駅から先の神戸駅までは、同じく高架下に「元町高架通商店街」があります。こちらは古い個人商店がぽつりぽつりと営業する裏通り的な存在。
時代の流れで消えていった家電製品やレコードなど、昭和の名残が色濃く漂う雰囲気が特徴です。

神戸旧居留地

こうべきゅうきょりゅうち

神戸旧居留地
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神戸旧居留地は、明治から昭和にかけた建築物が多く残るエリアです。
お洒落なショップやカフェが多く、中華街やメリケンパークへの道すがらでもあるため、多くの方が街歩きに訪れます。
居留地、すなわち外国人が暮らす特別な地区ができたのは、1868年のこと。その際、国から用意された土地は、砂地の湿地帯でした。
設計を任されたイギリス人の土木技師は、そこを126の区画に割り振り、幅の広い道路と歩道を設けました。
今日もみられる「38番館」などの建物の番号は、当時の区画を表す数字です。
1899年に土地が日本へ返還されると、大正から昭和にかけて多くの日本人が入り込み、商社や銀行が増えていきました。
現在残っている荘厳な柱や石造りが美しい近代建築は、この時代のものが多く混じっています。一方で、老朽化や耐震化のため取り壊されたものも少なくありません。
しかし、新しく建て替えられた建物にも、元の外壁の一部を利用したり、レトロなデザインを取り入れるなど、旧居留地の雰囲気を壊さないよう配慮されています。

KOBE とんぼ玉ミュージアム

こうべ とんぼだま みゅーじあむ

KOBE とんぼ玉ミュージアム
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KOBEとんぼ玉ミュージアムは、繊細で美しいガラス工芸品を展示する小さな美術館です。
とんぼ玉とは、穴のあいた模様入りのガラス玉のこと。古くは紀元前より各国で作られてきた製法で、日本ではとんぼの目に似ていることからその名がつきました。
ここでの醍醐味は、とんぼ玉制作体験です。好きな色と模様を自分で選び、ガラス棒をバーナーで熔かして作ります。
作業は10分ほどで、冷めるまでに1時間。完成したとんぼ玉は、別売の部品や金具と組み合わせ、ネックレスやキーホルダーに仕上げることができます。いずれも係員が丁寧に導いてくれるため、初心者でも安心。小学3年生以上であれば、子供も参加できます。
一方、常設展では古代ガラスが見所です。国内有数の古代ガラス蒐集家である羽原明徳氏が異国から買い集めた、大変貴重なコレクションが揃っています。
また、国内の現代作家が手がけた掌サイズの芸術作品も、思わずため息がもれる美しさ。緻密な手仕事にこめられた奥深いガラスの世界をお楽しみください。

神戸市立博物館

こうべしりつはくぶつかん

神戸市立博物館
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旧居留地に威風堂々と立つ、神戸市立博物館。元は銀行だったという重厚な西洋建築は、国の登録有形文化財です。
古くから港町として発展してきた神戸。明治に入ると外国人居留地がつくられ、いち早く欧米文化が流れ込んできました。
その歴史を通し、こちらの博物館では考古資料から南蛮美術、古地図、ガラス工芸にいたるまでおよそ7万点を所蔵。それらを定期的に入れ替えながら、テーマに沿った展示を行っています。
見所は、国宝の「桜ヶ丘銅鐸・銅戈群(さくらがおかどうたく・どうかぐん)」。
人気の「聖フランシスコ・ザビエル像」は、通常は複製品の展示ですが、2020年11月3日~29日にはオリジナルを展示。
一方、開放感ある吹き抜けの天井が美しい1階のホールは、かつて銀行だった時代の名残です。
ステンドグラスの丸窓や、南蛮船を描いたレリーフなど、外観に見る細かな建築美にもご注目ください。

三宮神社

さんのみやじんじゃ

三宮神社
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神戸には一宮(いちのみや)から八宮(はちのみや)まで神社があり、天照大神(あまてらすおおかみ)の玉の緒(たまのお)と、素盞鳴尊(すさのおのみこと)の剣(つるぎ)によって生まれた八つの神様を、それぞれお祀りしています。古来、節分の日にこの八社を巡って厄払いをする風習があり、今でも「神戸八社巡り」として多くの方が巡礼されます。
三宮神社は、その3番目。水の神である湍津姫命(タキツヒメノミコト)をお祀りし、古くから航海交通の安全と商工業の繁栄、知恵授けの神として人々に親しまれている神社です。
詳しい創建は不明ですが、伝説の上では生田神社の建立にあたり、神功皇后(じんぐうこうごう )がこの三宮神社を含む八社を巡拝したと伝わっています。一方、境内には1732年の手水鉢(ちょうずばち)や1748年の石灯籠があり、江戸時代中期にはすでに存在していたことがうかがえます。ちなみに、三宮町という地名が正式に使われ始めたのは、明治になってからのこと。語源はこの神社に由来します。
境内では、霊験あらたかな三宮稲荷のほか、源平合戦で平家軍に果敢に立ち向かった河原兄弟を祀る河原(かわら)霊社にも、ぜひお参りください。

メリケンパーク

メリケンパーク

メリケンパーク
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メリケンパークは、神戸のランドマーク、神戸ポートタワーと神戸海洋博物館や大型ホテルが織り成す象徴的な景観で知られています。潮風が心地よい解放的な公園は、対岸にポートアイランド、西側に神戸ハーバーランドを望む、人気の観光スポット。特に夜景は神戸市内でも指折りの美しさです。
明治時代、ここには第3波止場がありました。当時、波止場の目の前に米国領事館があり、「アメリカン」が「メリケン」と聞こえたことから、親しみを込めて「メリケン波止場」と呼ばれるようになったといいます。その波止場の西側一帯を埋め立て、公園として整備したのは、1987年のことです。
園内には、阪神・淡路大震災によって崩れた波止場をそのまま保存した、神戸震災メモリアルパークがあります。辛い歴史ですが、周囲を見渡せば見事に再生した美しい神戸があり、復興の希望そのものといえるでしょう。
また、同じく園内にある「BE KOBE」というモニュメントも復興の証。震災を乗り越えて生まれた、「神戸の魅力は人である」という思いが込められています。

神戸海洋博物館・カワサキワールド

こうべかいようはくぶつかん・かわさきわーるど

神戸海洋博物館・カワサキワールド
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1987年に開館し、2020年にリニューアルオープンした神戸海洋博物館。空に帆を広げたような大屋根は、神戸のランドマークになっています。
注目すべきは、1階エントランスホールのプロジェクションマッピング。イギリスの軍艦「ロドニー号」の巨大な模型を用いた臨場感溢れる空間演出が、来館者の心を掴みます。
時系列に並べた船の模型も見所のひとつで、大航海時代をゆく西洋の帆船から今日の客船、貨物船にいたるまで、船の進化がよくわかります。
一方、港で見かけるキリンのような巨大なクレーンの操作体験は、国内でも珍しいアトラクションです。また、船をあやつる操船(そうせん)シミュレーターは、実際に船乗りの航海訓練に使用されているものと同じタイプを使用。波の向こうに広がる神戸港のリアルな風景を前に、船長になった気分で船の操縦の疑似体験をお楽しみください。
そのほか、大型スクリーンを備えるシアターでは、「海・船・港」をテーマにした映像作品を上映。
1階の西側には、川崎重工グループの企業博物館「カワサキワールド」も併設。いずれもデジタル技術を活かした展示が多く、子供から大人まで楽しめる体験型博物館です。

南京町(神戸中華街)

なんきんまち(こうべちゅうかがい)

南京町(神戸中華街)
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南京町は、横浜、長崎に並ぶ中華街のひとつです。南京町という名前は、正式な地名ではなく商店街の名称です。これは、昔の日本人が中国の人や物を「なんきん」と呼んでいたことに由来します。
南京町の始まりは、港が開いた1868年。外国人居留地の周辺で、中国人や日本人が飲食、衣料、理髪など様々な商売を行い、活気ある商店街を築いていきました。太平洋戦争に入ると、神戸大空襲で元町一帯は全焼。戦後は外国人向けの歓楽街に変貌し、治安が悪化しました。南京町を中華街として甦らせる計画が立ち上がったのは、1970年代半ばのことです。この再開発により、楼門やあずまや、石畳みの道など、中華風の景観が造られていきました。
1995年の阪神・淡路大震災で町は再び大きな被害を受けましたが、電気やガスが機能しない中、店の外で温かい食べ物を提供し、被災者に大変喜ばれました。現在、店の前にあるテイクアウトは、当時の炊き出しがきっかけだったのです。
今日の南京町は、旧暦の正月を祝う「春節祭」など、中国の伝統行事もすっかり定着。人々に愛される一大観光地となっています。

神戸市立相楽園

こうべしりつそうらくえん

神戸市立相楽園
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相楽園は神戸では珍しい日本庭園で、ツツジの名所として知られています。ここを造った人物は、小寺泰次郎(こでらたいじろう)氏。数字に強く、下級武士から実業家に転じた明治の大富豪で、およそ2万平方メートルの敷地に小寺家の本邸をはじめとする、多くの建物を所有していました。
しかし、そのほとんどが神戸大空襲により焼失。かろうじて戦火を免れたのが、馬屋である厩舎です。
1910年(明治43年)頃に造られた煉瓦造2階建ての西洋建築で、国の重要文化財に指定されています。
一方、緑豊かな日本庭園では船屋形が目を引きます。これは江戸時代に姫路藩が使用していた川御座船の屋形部分を移築したもの。
現存する唯一の川御座船といわれる、大変貴重な文化財です。
また、瓦葺きの洋館、旧ハッサム住宅は明治時代の異人館で、こちらも保存のために異人館街のある北野町から移築されたものです。
このように築庭当初から景観は変われども、現在みられる総ケヤキ造りの堂々たる正門や、その奥に続く見事な蘇鉄群、樹齢500年といわれる大クスノキが、当時の邸宅の規模を今に伝えています。

神戸三宮センター街

こうべさんのみやせんたーがい

神戸三宮センター街
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神戸三宮センター街は、「屋根つきの2階建て」という珍しい構造の商店街です。
センター街が誕生したのは、戦後間もない1946年。当初はめぼしい商品がなく人通りが少なかったこの通りも、高度経済成長を経て流行の品々が並ぶようになり、現在では神戸を代表する買い物スポットとなりました。
高い屋根から自然光が降り注ぐ開放的な通りには、若者向けのアパレルブランドを中心に、ドラッグストア、大型書店、文具店などが立ち並び、幅広い客層が集まります。
一方で、八百屋などの食料品や、日用品の個人商店が少ない点が特徴です。
この商店街を歩く時はぜひ足元にもご注目ください。1丁目には、巨大な円に曜日や月を描いた路面壁画の「万年暦」。
2丁目ではストリートミュージアムと称し、現代アートの数々が地面に埋め込まれています。
なお、生田筋(いくたすじ)の角にある「三宮HATENA(はてな)」は、三宮の情報発信とアートギャラリーを担う施設です。街歩き用の地図やパンフレットを用意しているほか、観光の相談にも対応しています。

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