「草津よいとこ」の草津節で知られる温泉は、源泉かけ流しが魅力
「草津温泉」エリアの観光音声ガイド

草津温泉エリア紹介
TOURIST Guide編集部
渋谷朋子

草津温泉エリア紹介

くさつおんせん
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「草津よいとこ、一度はおいで」で歌い出される「草津節」で有名な草津温泉は、兵庫の有馬、岐阜の下呂と並ぶ「日本三名泉」のひとつです。活火山である白根山の麓に位置し、マグマの熱に温められ、時間をかけて様々な成分を含んだ地下水こそ草津の湯。酸性度が高く殺菌性に優れているため、古来より湯治場として親しまれてきました。この源泉を水で薄めず惜しみなく湯船に注ぎこむ掛け流しは、湯量が豊富な草津温泉ならではの贅沢。そのままでは熱過ぎるお湯を「湯もみ」で冷まし、「時間湯」で入浴する方法など、独自の文化も特長です。
古くは戦国大名が身体を癒し、八代将軍 徳川吉宗にいたっては、湯を江戸城まで運ばせたほど。明治以降も多くの文化人に愛されてきた歴史ある名湯をお楽しみください。
温泉街では、ワニやカピバラがいる草津熱帯圏や温泉落語など見所が盛りだくさん。また、温泉まんじゅうや温泉たまごに並び、「草津味」と呼ばれる「クマザサ」はご当地グルメ。お茶やうどん、こんにゃくとして売られており、お土産にもぴったりです。


草津白根山

A 草津白根山

湯畑

B 湯畑

熱乃湯

C 熱乃湯

西の河原公園

D 西の河原公園

ベルツ記念館

E ベルツ記念館

西の河原露天風呂

F 西の河原露天風呂

御座之湯

G 御座之湯

草津国際スキー場

H 草津国際スキー場

大滝乃湯

I 大滝乃湯

湯けむり亭

J 湯けむり亭

湯釜

K 湯釜

スポット紹介

草津白根山

くさつしらねさん

草津白根山
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草津白根山は、標高2,171メートルの活火山。白根山、逢ノ峰、本白根山を合わせた総称で、複数の登山ルートがあり、初心者でも比較的歩きやすい道となっています。1番人気は、エメラルドグリーンの湖水で満たされた湯釜で有名な白根山。湯釜の直径はおよそ300メートル、水深は30メートル。硫黄が沈殿した強い酸性の湖水が特徴です。周辺にはほかにも複数の火口湖があり、それぞれ、湯釜、水釜、涸釜と呼ばれています。
白根山の噴火で最も古い記録は、江戸時代後期にあたる1805年の湯釜の水蒸気爆発です。草津白根山は今でも活動を続ける活火山であり、1日にドラム缶でおよそ23万本分もの湯が湧き出る草津温泉の、まさに源と言えるでしょう。

湯畑

ゆばたけ

湯畑
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ここに来るとまず目に入る、ずらりと並んだ木の箱のようなもの。「湯樋」と呼ばれるこの樋に高温のお湯を通すことで温度が下がり、そのまま滝つぼに落ちて近郊の宿や浴場に送られていく仕組みです。
また、ここでは年に4回ほど、この湯樋に流れるお湯を1本ずつ止め、樋の底にたまった湯ノ花と称する温泉の成分を採取し、乾燥させ販売しています。
こうした役割を担うこの大きな設備を「湯畑」と呼び、草津のランドマークとなっています。
草津温泉の泉質は非常に酸性度が高く、五寸釘を浸しておけばおよそ10日で溶けてなくなってしまうほど。滝の岩場を覆う緑のコケをご覧ください。
「イデユコゴメ」という藻の一種です。熱に強く、強酸性の泉質を好むこれらが生息していることからも、酸性度の高さがうかがえます。そのため草津は古来より湯治場として親しまれ、「草津の湯は恋の病以外はなんでも治す」と言われてきました。
湯畑を囲む石の柵には、その評判を聞きつけてここを訪れた著名人の名が刻まれています。

熱乃湯

ねつのゆ

熱乃湯
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熱乃湯は、「湯もみ」を見学・体験できる施設です。草津温泉の源泉は非常に高温で、50度近くあります。
このままでは熱すぎて入れないため水を加えると、温泉の成分が薄まってしまいます。
そこで考え出されたのが、水を加えることなくお湯の温度を下げる「湯もみ」という方法。熱い源泉の中に約180センチメートルの板を入れて湯をもむようにかき回し、人が入れるまで温度を下げるこの方法は、草津独特の伝統文化。湯もみをすることでお湯も柔らかくなります。
湯もみの際に歌われる「草津節」は明治30年生まれの芸妓「竹寿(たけじ)」が"チョイナチョイナ"と囃す湯治(とうじ)客の唄を耳にしそれを整理して三味線にのせたところ、座敷唱として人気になり、やがて浴場でも歌われるようになったと言われています。通常の湯もみショーは、全員女性の「湯もみガールズ」が披露しますが、「ゆもみくん」と呼ばれるプロサッカー選手を目指すザスパ草津チャレンジャーズの選手達が行う迫力ある湯もみもおすすめです。
また、ここでは毎日、夜になると「温泉らくご」が披露されます。湯もみの湯船を前に聴く落語は、日本でここだけ。ぜひ夜もお越しください。

西の河原公園

さいのかわらこうえん

西の河原公園
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公園、という響きとは裏腹に、ここでは50度以上の温泉がいたる所から湧き出し、ごろごろと岩が転がる河原にもうもうと湯煙漂うその光景は、「鬼の泉水」とも呼ばれています。また、このような景観から、鬼が出没する三途川の「賽の河原」がその名の起源、という俗説もあります。
遊歩道を川上へ進むと、「瑞祥の池」や「琥珀の池」といったエメラルドグリーンの池のほか、草津を世に広めたドイツの医師 ベルツ博士の石像や、斎藤茂吉の歌碑といった見所が点在。縁結び地蔵が建つ草津穴守稲荷神社は、東京羽田にある穴守稲荷神社の分社で、境内の砂を持ち帰り家にまくと、商売繁盛、家内安全などのご利益があると伝えられています。
公園内ではあちこちで自然の親水広場などがあり楽しめますが、更衣室や目隠しが整備された「西の河原露天風呂」も人気のスポット。日本有数の広さを誇り、抜群の解放感が醍醐味の天然露天風呂です。

ベルツ記念館

べるつきねんかん

ベルツ記念館
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ベルツ記念館は、日本近代医学の父と称えられるエルヴィン・フォン・ベルツ博士を紹介する資料館です。ベルツ博士は日本政府に招かれ、明治9年に来日。
その後29年もの間、東大医学部の前身である東京医学校で医学を指導し、皇室の「侍医」、すなわち医者としても務めました。
また、温泉の医学的活用に着目し、清潔で設備の行き届いた温泉療養施設を作るべく政府に働きかけました。
草津へは明治11年ごろから訪れるようになり、草津温泉の医学的効能を「世界第一級の温泉保養地」だと世界に紹介。
ベルツの日記には「草津には無比の温泉以外に、日本で最上の山と空気と理想的な飲料水がある」と記されています。
草津町は博士を恩人と讃え、昭和初期 西の河原にベルツ博士の記念碑を建立。
昭和37年には、博士の生地であるドイツはビーティッヒハイム・ビッシンゲン市と姉妹提携を結びました。

西の河原露天風呂

さいのかわらろてんぶろ

西の河原露天風呂
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この露天風呂は、男湯と女湯を合わせた総面積が500平方メートルという圧倒的な広さが魅力。春から夏にかけた瑞々しい緑、秋の紅葉、冬は雪見と、四季折々の自然に囲まれてつかる温泉は、至福のひと時です。
源泉は万代鉱で、無色透明、強い臭いもありません。地中から湧き出る温度は94度から95度と、沸騰した水ほど高く、また、胃酸に匹敵する酸性度を有しています。もちろん露天風呂を満たすお湯はやわらかくなっていますが、無理して長湯せず、最初は短時間の入浴を適度に繰り返す方法をおすすめします。また、場所によって水温が異なるため、好みの温度をお探しください。
こちらの温泉の効能は、神経痛、関節痛、慢性婦人病などに加え、古い角質を浮かせるピーリングといった美肌効果も期待できます。だからといって、ゴシゴシとタオルでこする行為は禁物。お湯につかるだけで充分です。

御座之湯

ござのゆ

御座之湯
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江戸、明治にかけて湯畑周辺には「御座の湯、綿の湯、かっけの湯、滝の湯、鷲の湯」という5つの共同浴場がありました。
2013年にできた現在の「御座之湯」は、明治・大正時代の草津の建築資料をもとにデザインされた木造2階建て。屋根は耐久性を考慮したステンレス鋼板。
その上に、杉板で「とんとん葺き」を再現しています。
ここのコンセプトは、「簡素で不便な風呂」。サウナやスパ、食事処のような設備はなく、風呂場は木之湯と石之湯のふたつのみ。洗い場も少なく非常にシンプルな造りです。
いたれりつくせりな要素をあえて取り払うことで、明治の趣を感じ取ってもらうことが狙いとなっています。
この御座之湯に引かれているお湯は、湯畑と万代鉱の2つの源泉。草津温泉の特長である酸性度は、湯畑の方がやや高め。お湯の違いを肌で感じてみてください。
そして、湯あがりの休憩には、ぜひ2階の大広間へ。草津のシンボル 湯畑を一望でき、撮影スポットとしてもおすすめです。

草津国際スキー場

くさつこくさいすきーじょう

草津国際スキー場
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草津温泉スキー場は、日本で最初に民間用リフトを設置し、実に100年以上の歴史があるスキー場です。
そもそも、日本にスキーが伝わったのは1911年(明治44年)。
2年後の1914年には、草津で最初のスキー場がオープンしました。
続く、1933年に夜間照明、1948年(昭和23年)に日本初の民間用スキーリフトを設置。その後も次々とリフトを増やし、ナイター設備も整備。近郊には草津温泉もあることから、草津温泉スキー場は上級者から子連れまで、長年多くのスキーヤーに親しまれてきました。
一方、ここの楽しみは冬だけではありません。春から秋を「グリーンシーズン」と呼び、天狗山プレイゾーンで緑の傾斜場を利用した芝スキーや、芝生版スノーボードの「マウンテンボード」といった様々なアクティビティのほか、ハイキングコースも豊富。四季を通して楽しめます。

※Attention※
2018年1月、本白根山が約3000年ぶりに噴火したことにより、ゲレンデの使用などに規制がかかっています。最新の情報はスキー場までお問い合わせください。

大滝乃湯

おおたきのゆ

大滝乃湯
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大滝乃湯の特徴はふたつ。ひとつは、煮川(にかわ)源泉。
もうひとつは「合わせ湯」という入浴法です。
煮川の湯を使用しているのは、こちらの大滝乃湯と、地元の方が利用する共同浴場「煮川乃湯」の2箇所のみ。
泉質は酸性硫黄泉で、動脈硬化症、高血圧症などに効能が期待できるほか、美肌効果もあり、「美人の湯」としても知られています。
この煮川源泉を惜しげもなく使った「合わせ湯」は、50度近い源泉を水で薄めることなく、複数の浴槽をめぐらせることで自然に適温になるよう工夫された独特の造り。
入浴はまず、およそ38度の一番湯から入り、次に42度の二番湯、44度の三番湯、最後に45から46度の四番湯に入ります。
これだけ温度差のある浴槽が用意されている温泉は珍しく、豊富に湧く高温の源泉をそのまま利用する、草津ならではの伝統的な入浴方法です。

湯けむり亭

ゆけむりてい

湯けむり亭
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湯けむり亭は、湯畑にある檜造りの東屋で、無料で足湯が楽しめる施設です。この東屋は、江戸時代後期から昭和29年に取り壊されるまでここにあった共同浴場「松の湯」を再現したもの。当時は宿泊施設に風呂がないことが多く、人々は「湯屋」と呼ばれる共同浴場を利用しており、「松の湯」もそのひとつでした。
天然の湯が湧くこの地は、「湯畑」と呼ばれるようになるはるか以前より、それを囲むように町が作られてきました。湯畑の景観は時代とともに変化し、21世紀の現在、明治の建築を再現した「御座之湯」や、この「湯けむり亭」の東屋など、歴史を反映した町並みが復活しています。
足湯のお湯はもちろん目の前に湧く湯畑源泉です。強力な殺菌力を持ち、大腸菌はたった1分で死滅し、1円玉は1週間で溶け、五寸釘も10日で溶かすと言われるほどの酸性度。内湯や日帰り温泉の「御座之湯」に入る機会がない方は、是非ここで湯畑のお湯を体験してください。

湯釜

ゆがま

湯釜
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白根山の山頂にある湯釜は、直径およそ300メートル、水深が30メートルの火口湖です。湯釜の特徴であるエメラルドグリーンの色は、湖水に溶けた鉱物の微粒子が太陽の光に反射してそのように見えています。
海の色が青く見えるのと同じ原理で、実際の水は無色透明です。また、この湖水は非常に酸性度が高く、そのレベルは世界有数と言われています。これは、地下でマグマから発生したガスが地下水に溶け込み、塩酸や硫酸と化して湯釜の底から湧き出ているため。水温は平均で18度ですが、この鉄をも溶かす強酸性のため、水に触れることはおろか、湖畔に近づくこともできません。
近代では明治から昭和にかけ小規模な噴火を繰り返してきた白根山。明治15年の噴火以前は湯釜の周囲にも草木が茂っていたと言われています。現在目にする白い岩肌は、噴火による火山灰が影響したもの。ここに立ち、荒涼としたその景観を見渡せば、圧倒的な大自然の力を感じることでしょう。

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