飾り気のない庶民性と芸術科学の文化発信、
「上野・御徒町」エリアの観光音声ガイド

上野・御徒町エリア
TOURIST Guide編集部
吉川雅子

上野・御徒町エリア

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東京の北の玄関口・上野、戦後の経済成長期には、集団就職や出稼ぎなど多くの人が最初に降り立つ駅でした。故郷を後にした人たちの希望と哀愁の交わりを、じっと見守ってきた西郷隆盛の像が上野恩賜公園にあります。
桜の名所としても知られる園内には学術的価値の高い博物館や美術館が集まり、近代芸術科学など文化発信の拠点となっています。
またパンダの人気に象徴される上野動物園は、350種類の動物を飼育し、来場者数日本一の規模を誇り、公園内の施設はすべての世代が訪れるのにふさわしい場所です。
一方、上野駅から御徒町駅を結ぶ一帯は庶民向けのお手頃買い物ゾーンとして根強い人気があります。
年末の威勢のいい掛け声が師走の風物詩となっているアメヤ横丁や、90年の歴史を誇る鮮魚店、昭和の風情が残る老舗デパートは、年配者には懐かしく若い世代には新鮮に映る光景です。
さらに庶民の娯楽を代表する落語が気軽に楽しめる演芸場、肩肘張らない昔ながらの銭湯など、旅行者にも敷居が高くないところも魅力です。


上野恩賜公園

A 上野恩賜公園

上野の森美術館

B 上野の森美術館

国立科学博物館

C 国立科学博物館

国立西洋美術館

D 国立西洋美術館

東京都美術館

E 東京都美術館

東京国立博物館

F 東京国立博物館

旧岩崎邸庭園

G 旧岩崎邸庭園

下町風俗資料館

H 下町風俗資料館

スポット紹介

上野恩賜公園

うえのおんしこうえん

上野恩賜公園
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上野恩賜公園、通称「上野公園」は、江戸時代は寛永寺の敷地で、幕末の戊辰戦争で焼け落ちたあとの1873年(明治6年)、オランダ人軍医・アントニウス・ボードウィンの進言で、日本で初めての「公園」として指定されました。
その後1924年(大正13年)に、当時の宮内省から払い下げを受け、恩賜公園の名称が付きました。
広さは、日比谷公園の3倍を超える53万平方メートル。上野駅西側の公園入り口には、西郷隆盛の像が鎮座しており待ち合わせ場所です。
博物館や美術館などの文化施設も多く、日本の生い立ちに触れる国立科学博物館や世界遺産に登録されている国立西洋美術館は、文化遺産を後世に伝える発信の拠点となっています。一方、親から子へと思い出を引き継ぐ上野動物園は、パンダの人気もあって東京観光では外せないスポットのひとつです。
また桜の名所としてもして有名ですが、不忍池では冬の水鳥や夏に鮮やかなピンクで咲き誇る蓮の花など、好対照を描く季節独特の景色を楽しむことができます。

上野の森美術館

うえののもりびじゅつかん

上野の森美術館
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上野の森美術館は、日本美術協会が運営する美術館で、1972年(昭和47年)に開館しました。
上野を描いた浮世絵や版画作品などを所蔵していますが、常設展示はなく企画展や特別展示を中心に開催しています。
また毎年開かれる若手作家の作品を集めた現代美術展(VOCA展)や公募展なども定期的に開催されており、いずれも独創的な登竜門として企画展で高い評価を受けています。またミュージアムショップで販売するオリジナルグッズは「描く、書く」がテーマの文房具が多く、特に西郷隆盛をイラストにした一筆箋は人気があり、芸術の香りがする東京土産は静かなブームを呼んでいます。

国立科学博物館

こくりつかがくはくぶつかん

国立科学博物館
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国立科学博物館は1877年(明治10年)に開館した総合科学博物館で、コレクションは400万点以上を数え、地球や人類の歴史に迫る所蔵品が揃っています。
館内は、日本館と地球館に大別され、エントランスも兼ねた日本館は、1931年(昭和6年)に完成しました。
重厚な外観と内部の白亜のドーム型天井やステンドグラスが印象的で、建物は国の重要文化財にも指定されています。
「日本列島の自然と私たち」がテーマで、日本列島の生い立ちに遡り、ヒトや多くの種類の動物たちが環境の変化に対応しながら進化してきた様子がうかがえます。
また地球館では、地下3階から地上3階まで6つのフロアに渡り、「地球生命史と人類」がテーマとなり、地球の誕生とともに現れた多種多様な生物が、絶滅と進化を繰り広げていることや自然のしくみ、科学技術の歩み、天体について、分かり易く紹介されています。
環境変動に適応できず死滅した恐竜の骨格標本は、SF映画とは違った迫力があり、見る者を太古の世界に誘います。
一方進化を遂げた人類は文明を進歩させました。
それらを象徴する数々の発明品や、宇宙を目指した足跡を物語る展示物は、私たちの過去と未来にじっくり向き合える機会になります。

国立西洋美術館

こくりつせいようびじゅつかん

国立西洋美術館
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国立西洋美術館は20世紀初頭に松方幸次郎(まつかた こうじろう)が蒐集した西洋美術品、いわゆる松方コレクションを中心に所蔵・展示する美術館です。
松方は大手造船会社の社長や政治家をつとめた実業家でイギリスやフランスなどで美術品の収集をしていました。
しかし敗戦後、フランスに残していた作品が日本を敵国としたフランス政府によって差し押さえられました。
その後、返還交渉の結果、日本国内に専用の美術館を建設するという条件で合意し、1959年に完成したのが国立西洋美術館です。
建築を主導したのは20世紀建築を代表するフランスの巨匠、ル・コルビュジエです。
柱で床を支えることで自由な間取りのデザインが可能となっています。
また表面は玉石を張り付けるという細やかさです。
一方、内部はスロープや、自然の明かりを採り込む吹き抜け天井を取り入れたデザインで、2016年に、3大陸7か国にあるル・コルビュジエの建築群を構成する資産のひとつとして世界遺産に登録されました。
所蔵点数はおよそ6千点、ここだけでしか見られない名画、版画の数々、印象派作品にじっくり浸る一日も素晴らしいでしょう。


写真提供:国立西洋美術館 転載不可

東京都美術館

とうきょうとびじゅつかん

東京都美術館
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1926年(大正15年)、上野公園に日本初の公立美術館として開館しました。
国内外の名品を楽しめる特別展をはじめ、多彩な自主企画展や美術団体による公募展など年間を通して約280もの展覧会を開催するほか、アート・コミュニケーション事業など、「アートへの入口」を目指して、さまざまな事業を展開しています。
館内には2つのレストランとカフェ、ミュージアムショップなどのアメニティ設備も充実しており、入館料は無料のため、レストランのみのご利用も可能となっています。
設計は日本モダニズム建築の巨匠・前川國男よるもので、奇数月の第3土曜日には「建築ツアー」を開催、また不定期で開催されるライトアップされた美術館を散策する「トビカン・ヤカン・カイカン・ツアー」も好評です。

写真提供:東京都美術館

東京国立博物館

とうきょうこくりつはくぶつかん

東京国立博物館
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東京国立博物館は上野恩賜公園内の展示施設で、日本で最も長い歴史を持つ博物館です。
1872年(明治5年)に湯島聖堂で、翌年のウィーン万国博に出品する展示物の博覧会を開催したのが始まりです。
現在の場所に旧本館が建設されたのは1881年(明治14年)で、関東大震災や戦中戦後の混乱期を経て、展示館は順次増設されました。
現在は6つの展示館があり、所蔵作品はおよそ11万7000件にのぼります。
1938年に開館した本館は、コンクリート造の洋風建築に東洋風の瓦屋根をのせた「帝冠様式」の代表的な建築物です。
館内の2階は「日本美術の流れ」をテーマにした展示で仏教文化に始まる書画、彫刻、工芸など伝統の「わびさび」の原点に触れるような趣です。
1968年に開館した東洋館は、正面の人工池に美しく映える建物で、東アジアや東南アジアの美術品を所蔵しています。
またドーム型屋根を配したネオ・バロック様式の表慶館や、7世紀の宝物を展示する法隆寺宝物館、皇太子徳仁親王のご成婚を記念して建設された平成館には、考古展示室や企画展示室、特別展示室があります。

旧岩崎邸庭園

きゅういわさきていえん

旧岩崎邸庭園
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旧岩崎邸庭園は三菱財閥の創始者・岩崎弥太郎の長男・久弥が三代目・岩崎家当主の邸宅として建てた家屋などから成り、2001年(平成13年)に都立庭園として開園しました。
建物が完成したのは、明治維新からおよそ30年たち、日本が近代化の道を突き進んでいた1896年です。
往時には約1万5,000坪の敷地に、20棟もの建物がありましたが、現在は3分の1の敷地となり、家屋は洋館、撞球室と呼ばれるビリヤード場、和館大広間の3棟が残され、これらは庭園とともに国の重要文化財に指定されています。
ひときわ目を引く洋館は、イギリス人建築家のジョサイア・コンドルが手掛けており、木造二階建て160坪で、カントリーハウスと呼ばれる英国貴族の館に、イスラム様式を思わせるドーム屋根を備えた外観が特徴です。
岩崎家の賓客を迎える迎賓館として使われ、重厚さと緻密さを備えた内装が、当時の華やかな世界を想像させます。

下町風俗資料館

したまちふうぞくしりょうかん

下町風俗資料館
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下町風俗資料館は、明治から昭和30年代にかけて庶民が暮らす下町の街並みや習わしを展示した博物館で1980年(昭和55年)に開館しました。
土蔵造りを思わせる白壁の建物は、一歩中に入ると大正時代にタイムスリップ。
東京下町の街並みが再現され、商家や長屋など当時の生活が蘇ってきます。
1階にはちゃぶ台や長火鉢が置かれた長屋の座敷や駄菓子屋があり、素朴で温かみのある団欒が想像できます。
2階に上がると、実際に遊ぶことができるけん玉や人形といったおもちゃなどの展示や昭和30年代の居間があり、テレビやミシンが展示され、朝ドラに出てきそうなシーンを間近で見ることがれきます。
また復元された銭湯の番台周りには、編み込みの脱衣かごや目盛りが正面にあるレトロな体重計があり、若い世代には懐かしさより、初めて見るものかもしれません。
震災や戦後の復興、高度経済成長を経て庶民の生活は大きく変貌し、これらの生活道具を見ることができなくなりましたが、こうした下町文化は後世にも残したいものです。

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