海に親しむおしゃれな町!
「三浦・葉山」エリアの観光音声ガイド
三浦・葉山エリア紹介
三浦・葉山エリアは、神奈川県の南東部に位置する三浦半島に広がる地域で
その地形は起伏に富んでおり、水田が極端に少ない地でも知られます。
反対に野菜畑は非常に多く、三浦大根やスイカなどの特産物が有名です。
その他、ブランド魚である松輪サバ(まつわさば)も有名ですし、三崎地域は日本有数のマグロの水揚げ高を誇ります。
丘陵が多く、富士山や伊豆半島まで望めて、海の町でありながら、魚の水揚げはありません。
それでも、葉山近海で獲れた「はやましらす」は特産で、小学校の給食にも出されます。
また、葉山は皇室の御用邸(ごようてい)があった地でも知られています。
葉山御用邸(はやまごようてい)は、大正天皇崩御や昭和天皇践祚(せんそ)の地ということで、まさに時代が変わった三浦・葉山は、見どころたくさんの観光地です。
A 秋谷立石海岸
B チャッキラコ
C 城ヶ島
D 小網代の森
E 京急油壺マリンパーク
F 毘沙門湾
A
秋谷立石海岸
あきやたていしかいがん
秋谷・立石(あきや・たていし)海岸は、三浦エリア北部の横須賀市にある海岸です。
木造の階段が人気の前田川遊歩道をはじめ、文豪泉鏡花(いずみ きょうか)の小説『草迷宮(くさめいきゅう)』の舞台になった場所として知られています。
海岸の中で最も評判なのは、高さ12メートル、周囲約30メートルの隆起岩「立石」です。その迫力の自然景は見事で、かながわ景勝50選にも挙げられます。
立石は、その存在自体さることながら、海に張り出す「ぼんてん」なる岩場がメインスポット。
岩場には、立石をはじめ一本松なども生え、実に絵画的な構図で、同地のクライマックスは、朝夕に訪れます。
気候に恵まれると富士山を望むことができます。
特に富士山頂に太陽が重なり、ダイヤモンドのような輝きを放つ瞬間は見事です。
カメラマンの姿も多く、思い思いに海岸風景を満喫できる、この海岸では、バーベキューも可能ですので、マナーを守って絶景を楽しみたいですね。
B
チャッキラコ
ちゃっきらこ
チャッキラコとは、三崎地域に伝わる小正月の伝統行事で、女性のみが参加でき、年中さんから小学校6年生までの女児が主役です。
毎年1月15日の朝、海南神社(かいなんじんじゃ)の前で家内安全や大量祈願をこめて舞うこの行事では、晴れ着をまとい、扇を手に取り、20メートルほどの竹の両端に五色の短冊を下げます。
さらに小鈴を付けて、「チャッキラコ」や「よささ節」など6種類の歌を歌います。
行事の名前も歌の題名からで、チャッキラコの起源は、諸説ありますが、頼朝がこの地を訪れた際、磯釣りをしていた親子に踊りを要求したところ、母親は「私は老いているため、娘に躍らせる」と伝え、娘が小竹を持って踊る横で、母が歌を歌ったのが始まりとされています。
その歴史は現在でも紡がれており、チャッキラコでは楽器を一切使わず、音頭取り役の女性の歌に合わせて踊るのです。なんとこの行事はユネスコの無形文化財にも登録され、まさに葉山が誇る世界の行事なのです。
C
城ヶ島
じょうがしま
県下最大の自然島として知られ、東西南北に岬を持ち、北は鄙びた(ひなびた)漁港風景が広がり、南には一転して自然の原風景で、冬になると、海鳥「ウミウ」が渡来し、神奈川県指定の天然記念物にもなっています。
城ヶ島の名は源頼朝によって名付けられ、戦時期には砲台が設けられました。
要塞としての立場上、城ヶ島の存在を知られてはならず、戦時中は隠されていたと伝わっています。
観光スポットとしては、波の浸食で岩がメガネ状にくり抜かれた「馬の背洞門」があり、かつては小舟で通過できた洞門は、インスタ映えのスポットとして有名です。
また、城ヶ島を愛した人物として、作家北原白秋は欠かせません。
作品『城ヶ島の雨』では城ヶ島を舞台としており、三崎小学校の校歌を作詞するなど、関わりは深く、白秋が生前、歌碑の建立を許可したのは三崎にある「見桃寺」と城ヶ島のふたつのみとなっています。
文人に認められ、自然景豊かな城ヶ島は、潮の香に包まれた別天地です。
D
小網代の森
こあじろのもり
小網代の森は、三浦半島の先端に位置する70ヘクタールで東京ドームで約15個分の大きさです。
森の中央は付近を流れる浦の川の集水域になっており、森林や湿地、干潟から海まで備える「関東地方唯一の自然環境」として知られており、エコツーリズムの観光地としても注目されています。
森には絶滅危惧種も含め2,000種以上の生物が生息しており、散策を楽しみながらたくさんの生物を見つけることができます。
散策路には、ヤナギテラスやエノキテラスなど、休憩スポットもあり、エノキテラスからの小網代(こあじろ)湾景は評判です。
なかでも、小網代の森は小ぶりのカニ、アカテガニの宝庫で散策路には「カニのアパート」と呼ばれる地域があり、アカテガニが集団で暮らしています。
また、干潟ではカニの求愛ダンスを見ることができ、毎年夏ごろに「アカテガニ放仔(ほうし)観察会」が開催されます。
アカテガニは大潮の夜、一斉に海岸へ集まり、お腹の子を海に放ちます。
その様子を皆で見守る、そんな観察会で自然の神秘を体験するのも貴重ですね。
E
京急油壺マリンパーク
あぶらつぼまりんぱーく
京急油壺マリンパークは、1968年に開館した歴史ある水族館です。
相模湾を一望できる開放的な園内では、エリアごとに様々な生き物や珍しい展示を見ることができます。
30の水槽を4つのテーマに分けて紹介する水族館「魚の国」には、大型のサメが遊泳する視界360度の「回遊水槽」や貴重な標本展示などの見どころも満載。
屋内大海洋劇場「ファンタジアム」は完全屋内のため、天候を気にせず快適に、ミュージカル仕立てのコミカルな「いるか・あしかパフォーマンス」を楽しめます。
緑に囲まれた「かわうその森」では、可愛らしいしぐさで大人気のコツメカワウソをはじめ、水辺の生き物やフクロウ・モモンガなどの希少動物も暮らしています。
また、園内には三崎マグロのレストランやお土産・オリジナルグッズを扱うショップもあり、一日楽しむことができます。
F
毘沙門湾
びしゃもんわん
毘沙門湾(びしゃもんわん)は、三浦半島の南端にある小さな湾で、かながわの景勝50選にも選ばれ、「三浦・岩礁のみち」など、散策路も通っています。
毘沙門の地域は波の浸食でできた洞窟が多数存在しており、洞窟の穴の奥にお釈迦様の姿があり、独特な雰囲気を味わえます。
また、毘沙門洞窟弥生時代住居址群(びしゃもんどうくつやよいじだいじゅうきょしぐん)では、漁労具なども多く発掘されており、歴史的な意義も深い場所です。
遊歩道を進んでいくと、ひときわ高い断崖「盗人狩(ぬすっとがり)」が現れます。
その昔、追われた盗賊が断崖の先まで進み、下をのぞくと高さが30メートルもありました。
盗賊は思わず足がすくみ、難なく捕らえられたとの民話があり、盗人狩の名はその民話から付けられたと言われています。
あまり知られていないスポットとしては、毘沙門湾へ向かう途中にあり、三浦七福神で仏法の守護神とされる「白浜毘沙門天(しらはまびしゃもんてん)」の慈雲寺(じうんじ)があります。
普段は無人ですが、正月のみ有人となり、御朱印(ごしゅいん)をいただくことができます。
また、毘沙門湾には茶屋もあり、いろりでいぶした焼き魚を食べることが可能で、隠れた名物として知られています。