富士山を望み伊豆にも近い景勝地
「小田原・湯河原・真鶴」エリアの観光音声ガイド
小田原・湯河原・真鶴エリア紹介
小田原は、年間を通して温暖な気候に恵まれた地域で、古くから城下町・宿場町として栄え、東海道の交通の要衝(ようしょう)としての役割を果たしてきました。
海岸線から見渡せる相模湾の美しい眺めをはじめ、箱根の山並みや富士山を望める自然豊かな景観を楽しむことができます。戦国時代の武将 北条氏ゆかりの小田原城から見下ろす中心部は、いまでも古くからの街並みが残り、懐かしさを感じさせてくれます。また、小田原駅には5つの鉄道路線が入っているため、交通の便がよいところも特徴です。さらに海沿いを西に向かうと、湯河原(ゆがわら)温泉があります。この温泉は江戸時代から湯治場(とうじば)として知られ、明治以降はその閑静なたたずまいを好んだ著名な文豪が「創作の場所」として利用していました。
湯河原の東には、相模湾に突き出した「真鶴半島(まなづるはんとう)」があります。
真鶴半島は火山活動の溶岩で形成された小さな半島で、クロマツ・クスノキ・スダジイ(クロマツとアクセント同じ)などの原生林や、荒々しい岩場の特異な海岸線があり、その景観は「かながわの景勝50選」に選ばれています。
A 鈴廣かまぼこ博物館
B 生命の星・地球博物館
C 曽我梅林
D 湯河原温泉
E 真鶴半島
F 小田原さかなセンター
G ういろう
A
鈴廣かまぼこ博物館
すずひろかまぼこはくぶつかん
鈴廣(すずひろ)かまぼこ博物館は、かまぼこの歴史や製造工程を学びながら手作り体験も楽しめるユニークな博物館です。職人さんと一緒に作る「かまぼこ・ちくわ手づくり体験教室」や「あげかま手づくり教室」などの体験プログラムは、子どもと一緒に楽しむことができます。さらに、博物館内には「かまぼこ板絵美術館(かまぼこいたえびじゅつかん)」があり、食べた後の「かまぼこ板」をキャンバスにしたアート「小さな美術展・かまぼこ板絵国際コンクール」の作品が展示されています。
箱根観光の道中で立ち寄るのに最適な人気スポットです。
B
生命の星・地球博物館
せいめいのほし・ちきゅうはくぶつかん
神奈川県立生命の星・地球博物館は、「46億年前の地球誕生から地球の未来を考える」をテーマに開館しました。
「地球を考える」の展示室では、地球誕生の歴史や内部の構造、また宇宙との関わりを紹介するとともに、実際に衝突した隕石や世界の鉱物などを展示しており、実物に触れることもできます。
「生命を考える」の展示室では3階までの吹き抜けを利用して、
巨大な恐竜の骨格展示から豆粒ほどの昆虫まで、大小約10,000点にも及ぶ標本が展示され、大人にも見ごたえのある内容となっています。
さらにジャンボブックの展示室は実物の標本が満載で、高さ3メートル余りの百科事典が27冊もあり、植物や昆虫、自然に関するトピックスを見ることができます。
また、「SEISA(セイサ)ミュージアムシアター」では、200インチの大型スクリーンで楽しむ来館者参加型のインタラクティブ映像もあり、1日中いても飽きさせない充実した内容が自慢です。
※触れる展示およびSEISAミュージアムシアターは現在休止しています。
C
曽我梅林
そがばいりん
曽我梅林は、別所・原・中河原の3つの梅林で構成されており、およそ50ヘクタール、東京ドーム10個分の広さにおよそ35,000本の白梅が植えられています。梅栽培(うめさいばい)の歴史は古く、この地を統治していた北条氏が、梅の実を兵糧にするため城下に多くの木を植えたことが始まりといわれています。
そして江戸時代には、小田原藩主がさらに生産を奨励し、さらに箱根越えの宿場町で当時の旅人に梅干しが重宝されたことで栽培にますます拍車がかかったそうです。
開花時期に毎年開かれる梅まつりには、国内外から大勢の観光客が訪れます。
祭り期間中は、豪快な武士絵巻を再現するような流鏑馬(やぶさめ)や、数々の郷土芸能などのイベントも楽しめます。
一方で、富士山や箱根の山並みを背景にした絶好の撮影ポイントも数多くあり、可憐な花びらを入れ込んだ記念写真や、自慢の1枚に挑戦する観光客が盛んにシャッターを切っています。
D
湯河原温泉
ゆがわらおんせん
静岡県境にほど近い湯河原温泉は、海と山に囲まれ、四季を問わず自然の雰囲気を味わえる温泉地です。万葉集にも詠まれた歴史ある温泉で江戸時代にはすでに湯治場としての賑わいを見せていました。明治以降は、夏目漱石や国木田独歩(くにきだ どっぽ)ら多くの作家たちが、創作に交友にとこの地を利用していました。湯河原駅から国道沿いに15分ほど歩くと温泉街の入り口があります。純日本風の旅館が軒を連ね、都会の喧騒からかけ離れたしっとりとした佇まいの通りは、観光客の根強い人気を誇っています。温泉は、旅館だけでなく町営の日帰り温泉「町営こごめの湯」もあり、地元の人たちと触れ合えるほか日本では最大級の「9種類の足湯」を楽しむことができます。また日曜日には、25年以上も続いている観光朝市で、新鮮な海の幸を手に入れることができ、万葉公園や水量豊富な滝の見物など、散策する場所には事欠きません。
E
真鶴半島
まなづるはんとう
伊豆半島の入り口となる真鶴半島(まなづるはんとう)は、東京から1時間半余り、火山活動の溶岩で形成され相模湾に突き出したような形の半島です。海岸は高さ20メートルほどの岸壁が続き、松やクスノキといった常緑樹の大木をはじめ、シダ類が生い茂る原生林が残されています。半島を囲むように遊歩道が整備され、海の景色を眺めながら、山あり海ありの起伏を歩くウォーキングが人気です。また半島の先端、真鶴岬(まなづるみさき)につながる岩礁では、岩が海の上にせり出した「三ツ石」がひときわ目を引き、絶好の撮影スポットとなっています。真鶴は坂が多いため、レンタサイクルは電動アシスト付きが主流となっており、坂のある街も楽に散策ができます。さらに遊覧船に乗って珍しいカモメの餌付けが体験できる、30分のクルーズもあり、陸からも海からも楽しめる人気の観光スポットとなっています。
F
小田原さかなセンター
おだわらさかなせんたー
小田原さかなセンターは、小田原漁港に隣接する好立地にあります。新鮮な魚介類を扱う店、寿司などの食事処、干物・かまぼこなどの加工品を扱う店舗がそろっていますが、中でも買った魚をその場で味わえる「バーベキューコーナー」は大人気です。潮風に吹かれながら、とれたての相模湾の幸を楽しむ家族連れなどにも大好評です。値段も水揚げしたものをその場で扱うため、とてもリーズナブル。ほかの店舗からの出前もできるのでお寿司やデザートも同時に楽しめます。また新鮮な魚が並ぶ鮮魚店コーナーではあれこれ目移りしがちですが、目利きのプロが控えているので、お刺身から加工用に至るまで旬のお奨めを選ぶことができます。見て買ってその場で食べる、「市場エンターテイメント」は魚ファンには見逃せないスポットです。
G
ういろう
ういろう
創業は1368年、外郎(ういろう)家が二十五代に亘り続ける製薬と製菓を商う老舗です。京都から北条早雲の招きで小田原に移住し、神奈川県で最も古い商家といわれています。お菓子のういろうは、600年以上前に外国使節に振る舞った米粉の蒸し菓子が評判となり、各地に広まりました。また、先祖代々に伝わる秘伝の薬は現存する最古の薬ともいわれ、家名よりどちらも「ういろう」と呼ばれるようになりました。市川家歌舞伎十八番の内「外郎売」は300年前に「薬のういろう(透頂香)」で病が治った感謝として二代目團十郎丈により創作されたもので、その早口の台詞は滑舌の練習に広く使われています。十返舎一九の東海道中膝栗毛などにも取り上げられ、小田原宿の名物として「ういろう」は旅人に愛用されて来ました。伝統の多層棟の店構えは「八棟造り」と呼ばれ、初めて関東に下った徳川家康も感嘆したと云われ、外郎売の口上にも登場するなど古今を通じて東海道の名所となっています。