歴史と流行が交差する
「軽井沢」エリアの音声観光ガイド11選
軽井沢エリア紹介
長野県の軽井沢は、避暑地や高原リゾート、高級別荘地として全国的に知られています。そんな軽井沢は、もともとは中山道の宿場町として賑わっていました。
1885年、カナダ人宣教師のアレキサンダー・クロフト・ショーが軽井沢を訪れ、「屋根のない病院」と称して絶賛し、自らの別荘を建てたのが、軽井沢に建てられた最初の別荘となりました。さらに、ショーが連れて来た英語講師のディクソンの助言により、軽井沢で初めての西洋ホテルである現在の「万平(まんぺい)ホテル」ができるなど、洋風施設が増え始めます。あまり知られていませんが、宮城県の七ヶ浜(しちがはま)、長野の信濃町(しなのまち)と並び日本三大外国人避暑地にも選ばれているほどで、最近では、ビルゲイツも軽井沢に別荘を購入しています。
現在の軽井沢は、旧(きゅう)・新(しん)・北(きた)・西(にし)・東(ひがし)・奥(おく)など観光地と別荘地などのエリア分けを行っています。
A トリックアートミュージアム軽井沢
B 雲場池
C 旧軽井沢銀座通り
D 軽井沢星野エリア
E 星野温泉 トンボの湯
F ピッキオ
G 白糸の滝
A
トリックアートミュージアム軽井沢
とりっくあーとみゅーじあむかるいざわ
トリックアートミュージアムは、3階建ての体感型アミューズメント施設です。
その順路は3階からスタート。まずは魔法の動物園のゾーンから始まります。
白クマやパンダが額から飛び出し、カバに食べられそうになってしまいます。
続いて不思議な石造が出迎える遺跡の森探検のゾーン、不思議な水族館のゾーンを歩き、2階に降ります。2階にはモナリザやゴッホの名画をパロディ化したゾーンがあり、観覧者を楽しませます。
1階にあるエイムズの部屋は、大きくなったり小さくなったりする錯覚を味わう人気スポット。人気探偵アニメのロケにも使用されました。鏡の部屋ではリアルな生首を体験することができます。
何より驚きなのは、ミュージアムにして、触る、撮影、ペット同伴、全てが可能である点で、インスタ映えの1枚が撮れること間違いなしです。
館内には、ここでしか購入できないお土産や、カフェもあります。カフェでは、レモンを垂らすと色が変わる不思議なトリックハーブティーが人気です。体に優しく不思議なハーブティーを一度お試しください。
B
雲場池
くもばいけ
雲場池(くもばいけ)は大正時代に貿易商の野澤源次郎(のざわげんじろう)が、自身のホテル内に湧いていた湧き水をせき止めて形成した人工の池です。
その湧き水はお水端(おみずばた)と呼ばれ親しまれて来ましたが、諸大名や宮家(みやけ)の御膳に用いられたことから御膳水(ごぜんすい)と名付けられました。
その水を湛える雲場池は一周20分ほどで散策できる手軽な池で、天皇陛下も散策を楽しまれました。
冬には白鳥が飛来していたことから、外国人の間ではスワンレイクとの愛称も得ていました。
今ではカルガモが生息しており、毎年子どもを産んでは観光客の注目を集めています。夏の終わりには、白い野草がレースのように咲き、秋にはカラマツやモミジが彩りを放つ紅葉(こうよう)の一大名所となります。
雲場池から軽井沢プリンスショッピングプラザへ抜ける散策路なども整備されています。
軽井沢には昔から、民話に登場する「デーランボー」がいると伝わっています。
頭は雲を突き抜け、浅間山をひとまたぎ、野生の猪を食べるデーランボー。
細長い雲場池の形は、デーランボーの足跡ではないかとも言われています。
C
旧軽井沢銀座通り
きゅうかるいざわぎんざどおり
旧軽井沢銀座通りは軽井沢の歴史的地域で、旧軽井沢にある商店街です。
コロッケや銘菓のテイクアウトから、レストラン、アクセサリーの販売店など、店のジャンルも様々。名物として、信州産のチーズや地酒、コーヒー店のモカソフト、また軽井沢彫や草木染が人気です。
そのほか天皇皇后両陛下の出会いの場であるテニスコートや、外国人が多いため免税店もあります。
旧軽井沢銀座では、表面的な軽井沢ではなく、絶対的な資産、歴史、文化、伝説を持つ旧軽井沢を知ってもらう旧軽井沢化「Qcalization(きゅーからいぜーしょん)」を推し進めています。
旧軽井沢銀座を最奥まで進むと、矢ケ崎川(やがさきがわ)に架かる二手橋(にてばし)があります。
喧騒の銀座通りから一歩踏み込んだ木立とせせらぎはまさに穴場です。
また、西洋の雰囲気が残る旧軽井沢銀座ですが、寺院など日本の要素もあり、ユニークなところでは松尾芭蕉の句碑があります。「馬をさえ なかむる雪の あした哉」…雪の降る中、旅人の往来する様子を詠んだ句です。西洋要素の強い旧軽井沢銀座で、そんな歴史の側面を探してみてください。
D
軽井沢星野エリア
かるいざわほしのえりあ
星野エリアは、大正時代、多くの文豪や芸術家が創作活動で集まった場所です。
そのため、独自の上質な文化的コミュニティーが確立されてきました。
昭和中期、星野に滞在した際「今まで野鳥は食べていたが、これからは見て楽しむ時代」と話したのが中西悟堂(なかにしごどう)、のちに日本野鳥の会を創立する人物です。野鳥の宝庫として有名な軽井沢は、日本三大探鳥地のひとつとして数えられています。
現在の星野エリアは、星野リゾートにより開発されたもので、ハルニレテラスを中心に、高原教会や温泉、食堂にホテルが建ち並んでいます。
ハルニレテラスとは、土産店やレストランが並ぶ小さな町です。
清流、湯川の清流に沿うように自生していた100本余りのハルニレを活かしたため、その名前が付けられました。星野エリアでは厳選された14店舗が建つのみ。
開発時、付近の別荘居住者に対し、どのような店があったら嬉しいかのアンケートを行うなど、地域のことを考えたものでした。「買い物なんていつでもできる。軽井沢の空の下、のんびり食事をしながら食事を楽しむ」をモットーに、自然に溶け込むエリアです。
E
星野温泉 トンボの湯
ほしのおんせん とんぼのゆ
星野温泉は1914年に開湯し、北原白秋や与謝野晶子など多くの文化人も入浴をしていた歴史ある湯です。肌がつるつるになるため、「美肌の湯」としても知られています。
2002年に星野温泉の歴史を汲んだ立ち寄り湯「トンボの湯」としてリニューアルし、ハルニレテラスと並んで星野エリアの中心的役割を果たしています。
この場所では昔、たくさんのトンボが見られていたことが名前の由来。
建物の内外観は和モダンで、上空から施設を見ると、トンボのように見えるように設計されています。
国内外の旅行者のために、脱衣所にはスーツケースが入るロッカーがあり、女性の方が長湯をする割合が高いことから、女性の洗い場を広くするなど、細かな気配りが嬉しい施設です。
湯上りには、隣接のカフェでクラフトビールや名物の花豆ソフトクリームも楽しめます。
F
ピッキオ
ぴっきお
ピッキオは、星野エリアにあり、自然体験ツアー等を開催、野生動物ウォッチングと保護管理を実施する団体です。
野鳥の森のネイチャーウォーキングツアーや、目撃率90%以上の空飛ぶムササビウォッチング。子ども冒険クラブに、夜間専用ライトと車で楽しむワイルドサファリツアー、早朝バードウォッチングなど、その企画も豊富です。
目の前のケラ池は、カエルにカルガモ、オオルリなど動物の宝庫。冬にはスケートも楽しめます。
ビジターセンターには、イカルカフェがあり、イカルとは「コーヒー一杯プリーズ」と鳴く鳥のこと。カフェでスタッフに「コーヒー一杯プリーズ」と言うと、何かが起きるかもしれません。
また、ピッキオには「ベアドッグ」がいます。ベアドッグとはクマの対策犬のことで、フィンランドとロシアの国境付近にあるカレリア地方原産の犬ですが、ヒグマ猟に向くように改良されてきました。
カレリア犬は主人が来るまでクマを留めておく能力に長けており、人・犬・クマの安全を求める対策として有用なのです。
軽井沢を訪ねた際は、どこかでピッキオのベアドッグに出会えるかもしれませんね。
G
白糸の滝
しらいとのたき
白糸(しらいと)の滝は、軽井沢と北軽井沢を結ぶ白糸ハイランドウェイの沿線にある、高さ3メートル、幅70メートルの規模を誇る滝です。
全国に同名の滝は多くありますが、軽井沢のそここそ、白糸と呼ぶにふさわしいと言われています。
6年かけて湧き出た地下水は、岩肌を通って白糸になります。
流量は一定で濁らず、天気に左右されない水質として有名です。
付近は涼しく、夏でも羽織るものが必要なほど。それでも水に触れると意外な温かさに気づきます。
温かさは地下を走る火山の影響で、このような湧き水は珍しいです。意外なことに、の滝は人工で出来ており、白糸になるよう設計され、地形を掘られて現在の形になりました。
また、白糸の滝の上にある売店も見逃せません。白糸の湧水と長野県産の大豆を使った豆腐があります。ここではその豆腐を、出汁醤油やメープルシロップ、浅間ブルーベーリーのジャムで食べることができます。