京都屈指の紅葉絶景スポット
「東福寺・伏見稲荷」エリアの観光音声ガイド
東福寺・伏見稲荷大社エリア紹介
紅葉の名所が多い京都ですが、ここ東福寺・伏見稲荷大社は一面紅葉の渓谷が圧巻の人気エリアです。
どこまでも続く千本鳥居や芬陀院(ふんだいん)の丸窓、東福寺境内の通天橋(つうてんきょう)から眺める紅葉の絶景など、有名な絵になる観光スポットが多くあります。
京都で屈指の紅葉の名所と言われる東福寺は、京の風景とも言われる桜がありません。
遊びに興じる人々が桜の花見に押し寄せ修行に支障をきたすということで、画家が足利義満(あしかが よしみつ)に御願いをしたという言い伝えが残っています。
日本最古で最大の大伽藍の絶景は祈念を没頭できる環境から作られているようです。伏見稲荷大社の見所は鳥居ばかりではありません。
そのまま稲荷山の聖地を巡拝する「お山めぐり」では、たくさんの小さな祠(ほこら)や風情あるお休み処が多くあり、京都を一望できる素晴らしい眺望を楽しめます。
稲荷大社だけに食の名物もおいなりさんや、きつねうどんなどで心もお腹も満たされます。
A 即成院
B 戒光寺
C 来迎院
D 御寺 泉涌寺
E 芬陀院
F 東福寺
G 光明院
H 伏見稲荷大社
I 瑞光寺
A
即成院
そくじょういん
平家物語の一場面で揺れる小舟の上の的を冷静に打ち抜いた源氏の代表、那須与一(なす の よいち)。
平家滅亡の一つとなった屋島の戦い(やしまのたたかい)の弓の名手が養生し生涯を終えたと言われるのがこの即成院(そくじょういん)です。この世に極楽浄土を表現したと言われている阿弥陀如来(あみだにょらい)は5.5メートル、二十五菩薩も像高が150センチメートルと見守るように配置されています。
こちらへ訪れた際にぜひ手に入れたいのは阿吽犬(あうんいぬ)のお守りや那須与一にあやかる「願いが的へ」や「願い扇」の絵馬、そして紅葉の季節にいただける「紅葉舞う極楽浄土」という紅葉がちりばめられた特別拝観の御朱印です。
何事も阿吽の呼吸で福をつかむようにという願いを込めて、阿吽犬様の全体をスムーズに撫でながらお参りをしましょう。
B
戒光寺
かいこうじ
身の丈が5.4メートルの台座や背面部をいれるとやく10メートルもある京都最大級の丈六釈迦如来像があるお寺がここ、戒光寺です。
仏師、運慶(うんけい)・湛慶(たんけい)親子の作と伝わる「丈六さん」の呼び名で親しまれているこの釈迦如来(しゃかにょらい)は身代わりのお釈迦様として有名です。
釈迦如来の喉元にある跡は後水尾天皇(ごみずのおてんのう)が暗殺者に襲われた時に、お釈迦様が身代わりとなって命を救ったという時についた血だといわれています。
災いの身代わりや首から上の病などの身代わりをお願いしたい時に目の前に座ってお参りをするといいでしょう。
また、「三人寄れば文殊の知恵」と言われる文殊菩薩(もんじゅぼさつ)や、年に2回しかご開帳されない融通を利かせて願いを聞いてくださると信仰される秘仏、泉山融通弁財天(せんざんゆうずうべんざいてん)が祀られています。
そのほか境内には、「油小路事件(あぶらのこうじじけん)」として知られている新撰組に襲撃された禁裏御陵衛士(きんりごりょうえじ)たち3名の墓碑が並んでいます。
C
来迎院
らいごういん
泉涌寺(せんにゅうじ)の塔頭の一つで、弘法大師が中国から感得した日本最古の仏教の三宝を守る三宝荒神(さんぼうこうじん)様が祀られています。
弘法大師が掘り当てたというゆかりの独鈷水 (とっこすい)は、天皇の寵愛を受けた女官の、目の不自由な娘が目を洗ったところ、目が見えるようになったという言い伝えがあり、様々な病治癒祈願のために多くの参拝客が訪れます。
鮮やかな紅葉スポットのなかで落ち着いた侘び寂びを感じる景色がたのしめ、大石内蔵助(おおいしくらのすけ)が建立した茶室・含翠軒(がんすいけん)まで続く回遊式庭園の道を、紅葉した落紅葉が文様を描いているなか散策が出来ます。
討ち入りまで赤穂浪士(あこうろうし)と密談していたという含翠軒の建つ庭の中でお抹茶をいただきながら、静かに紅葉を楽しんでみましょう。
D
御寺 泉涌寺
みてら せんにゅうじ
皇室との関わりが深く、敷地の一角から清水が湧き出たことが御寺(みてら)と称される泉涌寺(せんにゅうじ)の名前の由来となっています。
京都紅葉六十六景の一つで、秋には多くの人が訪れる紅葉の名所です。紅葉の美観を楽しむには御座所庭園がおすすめです。
御座所は京都御所の皇后宮を移築したものであり、御産所もありました。今も皇室の御休処として使われ、昭和天皇もこの庭園で和歌を詠んでいます。大門を入って左手奥の観音堂内には、世界三大美女、楊貴妃をモデルにした秘仏・楊貴妃観音像が安置されており、美人祈願に多くの女性が参拝に訪れています。美人祈願や安産祈願、縁結びなど女性の参拝が多くありますが、珊瑚で色付けた楊貴妃観音像は鮮やかな色を保っており仏像の美しさを引き立たせていて、男性も必見です。
歴代天皇がお眠りになっている月輪陵(つきのわのみさぎ)の他に、泉涌水屋形(せんにゅうすいやかた)や清少納言(せいしょうなごん)歌碑などを巡りながら、紅葉の御寺を巡ってみましょう。
E
芬陀院
ふんだいん
東福寺の塔頭の一つ、芬陀院は水墨画家でもあり禅僧である雪舟(せっしゅう)が作庭した枯山水庭園です。
京都最古の庭園の一つで石組みによる鶴亀の庭があり、雪舟寺(せっしゅうじ)とも呼ばれています。
二度の火災と永い歳月のなかで荒廃していましたが、1939年(昭和14年)作庭家・重森 三玲(しげもり みれい)の手により、一石の補足もなく復元されました。
茶関白(ちゃかんぱく)と呼ばれた一條恵観(いちじょう えかん)が愛したと言われる茶室の丸窓は、三玲が作庭した東庭(とうてい)を望み、心の景色を映し出すとも言われています。
御朱印は雪舟寺という印と一條内経(いちじょう うちつね)が菩提所として建立したのが芬陀院で、一條家の御殿である「桃華殿(とうかでん)」にちなんで一條桃華御殿の文字が頂けます。
F
東福寺
とうふくじ
19年もの歳月をかけて造営された日本最大級で最古の伽藍の東福寺は、境内に約2000本もの紅葉が植えられている京都屈指の紅葉の名所でもあります。明治の廃仏毀釈で統廃合されましたが塔頭が25もある大寺院です。なんといっても紅葉の見所は3つある橋からの眺めです。偃月橋(えんげつきょう)、臥雲橋(がうんきょう)、通天橋(つうてんきょう)は季節になると撮影禁止、立ち止まり禁止となるほどの絶景ポイントです。通天橋から開山堂へ渡る際に見える、渓谷一面を埋め尽くす紅葉の光景が圧巻です。国宝の三門や400人もの禅僧が修行したと言われる日本最大の禅堂、苔と敷石が市松模様を描く本坊庭園など、重要文化財も多く、見所がたくさんありますが、なかでも日本最古の東司も重要文化財になっています。東司(とうす)とはいわゆるトイレです。間口10メートルもあるという東司は一度に100人が利用できるというもので、いかに大きな寺院だったかということを物語っています。紅葉の季節には特別な御朱印もあります。モダンな庭も紅葉もじっくりと散策してみましょう。
G
光明院
こうみょういん
東福寺の塔頭のひとつで、雨上がりの苔の美しさから虹の苔寺という異名を持っています。ツツジやサツキの名所でもありますが、深緑の苔が広がる枯山水庭園にかかる鮮やかな紅葉を静かに観賞できる寺院です。
波心庭(はしんのにわ)と呼ばれる枯山水庭園は、作庭家・重森三玲(しげもり みれい)の作品で『無雲生嶺上(雲 嶺上に生ずること無くんば)、有月落波心(月 波心に落つる有り)』から大海原をイメージした石と砂を配置した動きのある庭園になっています。
重森三玲(しげもり みれい)のもう1つの作である茶亭 蘿月庵(らげつあん)は本堂から庭を眺めると右上に月の形をした壁が覗くかもしれません。
本堂の横にある部屋の丸窓から眺めると窓に紅葉が広がり、また違う庭園の風景を堪能することができます。
紅葉の季節には お抹茶とお菓子をいただくことができますので、ゆっくり紅葉を眺めたいときにはお勧めの穴場のスポットです。
こちらの拝観料は志納料として自分で竹筒のなかに入れる仕組みになっております。300円程度を志としてお納めするといいでしょう。
石と砂の海原に、ツツジやサツキの雲という世界を、喧騒から離れて月が見えるという丸窓から堪能してみましょう。
H
伏見稲荷大社
ふしみいなりたいしゃ
五穀豊穣(ごこくほうじょう)・商売繁昌の神様として信仰を集め、全国に3万社あるといわれる「お稲荷さん」の総本宮がここ伏見稲荷大社です。
安土桃山時代に建てられた本殿は重要文化財で気品ある色鮮やかさがあり、朱塗りの「千本鳥居」は国内のみならず、海外からの観光客にも絶大な人気を集めています。
色鮮やかな鳥居の数は、境内全体で1万本を超えるのではないかと言われており、インスタ映え間違いなしの京都を代表する観光スポットです。
奥社奉拝所から先は、「お山めぐり」で稲荷山の聖地を巡拝できます。
中でも、池に向かって手を打ち、こだまが返ってきた方向に探し人がいると言い伝えのある「新池(しんいけ)」や、運気アップが図れる御劔社(みつるぎしゃ)はパワースポットとしても知られています。「お山めぐり」は1周約4キロメートルで2時間かかるので、時間に余裕があれば山頂まで歩いてみましょう。
I
瑞光寺
ずいこうじ
瑞光寺は、丸みを帯びた総茅葺屋根の本堂が落ち着いた雰囲気の寺院です。日蓮宗の高僧・元政上人(げんせいしょうにん)が創建の寺で縁結び・縁切り寺としても有名です。
武士の世界から縁を切り、強い意志で仏様と縁を結んだことから、縁切りだけでなく縁結びの願い事もお参りできるそうです。華やかな寺院が多い京都で茅葺の寺院は少なく、物静かな雰囲気で紅葉を楽しみたい人にはお勧めです。
寂音堂(じゃくおんどう)と名のついた本堂には胎内に五臓六腑(ごぞうろっぷ)をかたどったものが納められている釈迦如来坐像が安置されています。
また、白龍銭洗弁財天があり金運もお参りできます。
元政上人は親孝行の僧とも言われ、自身の多病をおし母を八十七という長寿で看取ったといいます。
心落ち着けていい縁と巡り会い、悪い縁と縁を切りたいときは、少し足を伸ばして瑞光寺を散策してみましょう。