心地よい瀬戸内の風、二十四の瞳が輝いた
オリーブの島、「小豆島」エリア
小豆島エリア
映画「二十四の瞳」でも知られる小豆島は、淡路島に次ぎ瀬戸内海で二番目に大きな島です。
一年を通して温暖な気候に恵まれ、400年の歴史を持つ醤油づくりや手延べ素麺づくりなどが盛んです。
「日本のオリーブ栽培発祥の地」としても知られていますが、植栽から110年以上経ち、現在は小豆島だけなく香川県の各地で栽培され、その品質は世界でも高く評価されています。
また沖合には、大小の島々が点在し、瀬戸内海が織りなす美しい景観が広がっています。
引き潮の時だけ海岸線に道が現れて沖の小島と陸続きになる瞬間や、周囲を淡いオレンジ色に染め静かに沈む夕日は、見る者を感動させます。
一方火山活動でできた島にふさわしく荒々しい自然も残っており、噴火や浸食などを経て形成された、人を寄せ付けない厳しい地形は古くから修行や信仰の対象となり、「小豆島八十八ヵ所」と呼ばれる霊場へとつながりました。
架橋はなく、本州や四国への交通機関はすべて船便のままで、昔ながらの島の風情を今に残しています。
A 醤の郷
B 寒霞渓
C 中山千枚田
D 道の駅 小豆島オリーブ公園
E 二十四の瞳映画村
F 小豆島ふるさと村
G マルキン醤油記念館
H 奥之院 笠ヶ瀧
I 銚子渓自然動物園 お猿の国
A
醤の郷
ひしおのさと
小豆島の醤油づくりは約400年前の江戸時代から始まりました。
その製法が後世に受け継がれている「醤の郷」は、醤油蔵や佃煮工場の見学、ショッピングなど「まち歩き」が楽しめる小豆島の人気エリアのひとつで、経済産業省の近代化産業遺産建造物が集積しています。
小豆島町の中心部から南東方向にある馬木(うまき)・苗羽(のうま)地区には、昔ながらの板塀と漆喰の白壁の蔵が軒を連ね、歩いているとほのかに醤油の香りを感じることができます。
木桶仕込みの醸造は、金属やプラスチックのタンクよりも乳酸菌や酵母菌の発酵に適した環境で蔵ごとに独特の味と香りを持った醤油が作れ、その様子を見ることもできます。
また、小豆島名物となった「しょうゆソフトクリーム」や「醤油プリン」などご当地グルメも人気があります。
B
寒霞渓
かんかけい
瀬戸内海国立公園である寒霞渓は、小豆島中央部にある島の最高峰・星ヶ城山と、四方指の間にある渓谷です。
1300万年前の火山活動や度重なる地殻変動などによって創られました。大小の安山岩などが不規則に連なり奇岩の造形美を形成しています。
この岩と海が、四季折々の景色と相まった渓谷美を生み妙義山、耶馬渓と並び日本三大渓谷美に挙げられています。
山頂駅へは、道路が整備されていますが、海と空そして渓谷を満喫できるロープウェイがお奨めです。奇岩と樹木が織りなす深い渓谷を5分ですり抜ける空中散歩を楽しむことができます。
一方、片道約1時間かけて歩く登山道もあり、表十二景、裏八景と呼ばれる景色を上りはロープウェイ、下りはハイキングで楽しんでみるのもオススメです。
山頂駅には景観を楽しむ展望所のほか、交通安全や厄除けの願かけができる「かわらけ投げ」や利用者の快適さを追求した1億円のトイレもあり必見です。
C
中山千枚田
なかやませんまいだ
中山千枚田は、小豆島の中央部からやや西に向かった中山地区に広がる水田地帯です。
湯船山の中腹、標高150メートル付近から、大小およそ800枚の水田が階段状に広がって美しい景観を形成し、「日本の棚田百選」にも選ばれました。
田植え時期は緑の曲線に囲まれた水面が映え、やがて緑一色のカーペットと化し、そして眩しいばかりの黄金色へと姿を変えるさまは日本のふるさとの原風景でもあります。
また形も大きさも異なる一枚ずつが美しい曲線を描きながら繋がってつくる立体空間はさながら自然のアートととも呼べるでしょう。
そして湯船山から生じる湧水がくまなく田んぼを潤すので、コメも極めて良質という評価を得ています。
毎年7月に行われる虫送りは、水田の害虫を追い払うために松明を灯し、あぜ道を練り歩く行事で、映画「八日目の蝉」のロケがきっかけで復活しました。
夕闇に浮かぶ光が彩る幻想の世界、華やかなライトアップとは違った、山間で生きる人々と自然の一体化した営みを見る思いです。
D
道の駅 小豆島オリーブ公園
みちのえき しょうどしまおりーぶこうえん
海を望む丘陵にある「道の駅小豆島オリーブ公園」には、2,000本のオリーブと130種類以上のハーブが植樹され、地中海沿岸を思わせる景色が広がっています。
オリーブが初めて日本に入ってきたのは江戸時代末期で当時は薬用として用いられていました。
その後、マグロやイワシといった魚を保存する缶詰にオリーブオイルを必要として本格栽培の試みが1908年(明治41年)に小豆島で始まり見事に成功しました。
こうして小豆島で搾油が始まったオリーブオイルも、戦後の貿易自由化で安価な海外製品が輸入されるようになりますが、健康志向ブームが国産品見直しの機運を高め、小豆島のオリーブが注目されるようになりました。
オリーブ公園のシンボルである白い「ギリシャ風車」は、瀬戸内海をエーゲ海に見立てたように南ヨーロッパの雰囲気を出し、2014年に公開された実写版映画「魔女の宅急便」のロケ地になったことでも知られています。無料でレンタルできる「魔法のほうき」にまたがって、思い出に残る「空飛ぶ写真」を1枚撮ってみませんか?
E
二十四の瞳映画村
にじゅうしのひとみえいがむら
小豆島の象徴の一つになっているのが名作映画『二十四の瞳』です。
村の分教場を舞台に新任の女性教師と12人の生徒たちの心温まる交流と激動の時代を生きる姿を描いた壺井栄の小説は二度にわたって映画化されました。
映画村は1987年の再映画化で、当時を再現したオープンセットを公開しています。
1万平方メートルの敷地には、時代背景となった昭和初期を思わせる建物が並び、なかでもひときわ目を引くのが12人の生徒と先生の交流の場となった「岬の分教場」の木造校舎です。
明治の時代から昭和46年まで実在した小学校である「岬の分校」も、700メートル手前にあり、映画村内の木造校舎はロケのためにそっくりに建てられたもので廊下や教室に机や椅子、黒板など昔懐かしい世界が広がっています。
また昭和30年代の映画館を再現した「ギャラリー松竹座」では、時代の流れを感じるレトロなつくりで高峰秀子さん主演の「二十四の瞳デジタルリマスター版」を上映しています。
F
小豆島ふるさと村
しょうどしまふるさとむら
小豆島ふるさと村は、「遊び」「体験」「宿泊」、そして「食事」に「買い物」と、旅の楽しみを全て網羅した総合体験型のレジャー施設です。
全長70メートルもある大桟橋で釣りが楽しめるほか、海上を散歩する感覚SUP(サップ)体験やシーカヤックなど、マリンスポーツは不動の人気。一方ゆっくりと小豆島の観光地を巡りたい方には、スローでキュートな超小型電動自動車「豆モビ」がオススメです。
エアコンやサイドの窓はなく、雨の日は貸出不可となりますが、島内の指定範囲で走行できる珍しい2人乗りの自動車です。
グルメでは、香川のソウルフードとして人気を誇る讃岐名物「手打ちうどん」の体験や試食もできるので、アクティビティに事欠きません。
ふるさと村の入口には、とんがり帽子が目印の円形建物「夢想館」があり、現代美術が展示されています。
バラエティ豊かな宿泊施設もあり、ゆっくり滞在してアクティブに遊ぶことのできる新しい旅のスタイルがここにあります。
G
マルキン醤油記念館
まるきんしょうゆきねんかん
オリーブと並ぶ小豆島の名産として知られている「醤油」。
マルキン醤油記念館は、醤油の製造方法や古くから使われていた道具が展示され、その歴史を伝える記念館としてマルキン創立80周年にあたる1987年に開館しました。
元々、この建物は大正時代初期にもろみから醤油を搾る工場として稼働していましたが、歴史の風格を滲ませる合掌造りは国の登録有形文化財にも指定され、記念館として生まれ変わりました。
圧倒されるのは大桶と呼ばれる、創業当時から仕込み用で使っていた大きな桶の一部をくり抜いて作ったトンネルです。この桶の容量は30石(約5.4キロリットル)、1リットルのペットボトルで約5,000本という大きさで、大人が十分に立つことができます。
また、記念館の近隣には、国内最大規模を誇る天然醸造蔵の一部を窓から見学が出来るギャラリーステージがあります。
そして、ここでしか食べられないマルキンの生しょうゆを使ったしょうゆソフトクリームや、限定のしょうゆ、小豆島の特産品を取り揃えている物産展も人気です。
H
奥之院 笠ヶ瀧
おくのいんかさがたき
小豆島八十八ヶ所霊場72番札所の真言宗 萬年山 瀧湖寺の奥之院 笠ヶ瀧は、旧噴火山による313メートルの集塊石の山にあります。
霊場は本来修行の場ですが、ここはその中でも特に険しいと言われている山岳寺院です。
登り口では、まず梵鐘と呼ばれる鐘をついて御本尊様へのご挨拶をしましょう。手を合わせて安全祈願をしたあとは、鎖につかまりながら岩場を一歩ずつ登ります。高度250メートルを登りきった頂上手前に御本尊不動明王を祀る本殿が見え、洞窟をくぐったら到着。
本殿では苦労して登ったご褒美のような素晴らしい眺望を楽しむことができます。
参拝が終わったら、ご利益があるといわれている指輪をチェックしてみてください。はめる指によって願い事が異なり、健康運や勝負運、学業に厄除け、良縁といった願掛けができ、若い女性にも人気です。
サイズも選べて純銀と洋銀の2種類あります。
願いが叶うと指輪を返すためにお礼参り、本堂には戻された指輪がたくさん積まれていることから、たくさんの願いが叶ったことが窺えます。
I
銚子渓自然動物園 お猿の国
ちょうしけいしぜんどうぶつえん おさるのくに
小豆島銚子渓お猿の国は、小豆島西部の渓谷にあり、この自然動物園には野生のニホンザルが約500匹生息しており「銚子渓の日本サル群」として香川県の天然記念物に指定されています。
これらのお猿さんは2つの群れに分かれてそれぞれにボスがいますが、蘇峰の派閥抗争も挑発行為もなく至って穏やか、次の政権交代までは、安定した政局と言えるでしょう。
園内ではエサやり体験や約束のモンキーショーを楽しむことができ、このショーは1日2回開催され、飼育員とサルたちの息の合ったユーモラスなアクションを楽しむことができます。温暖な小豆島でも、寒い時期は山間部の冷え込みは厳しく、10匹前後が身を寄せてお互いに身体を温めあう「サル団子」は冬の風物詩となっています。
またお猿さんだけでなく、2008年に閉園した「小豆島孔雀園」から移送された美しい孔雀の姿を見ることもできます。
※現在、モンキーショーにつきましては新型コロナウイルス感染拡大防止の為、休止しています